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生きてるだけで、愛。/本谷有希子
2010年03月04日 20:25

地元の友人に私が大学で文学研究会というサークルに所属していることを話すと、なんだかひどく根暗な集団に毒されているんだこいつはみたいな目で見られる。教習所のロビーで徒にケータイをいじって時間をつぶそうとしている人たちに混ざって本を読んでいるのは、なんとなくいい気分だよ。畢竟、本を読むのはなんかいい感じのことなのだ。

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「生きてるだけで、愛。」
本谷有希子著
新潮文庫


<あらすじ>
鬱になってしまった寧子(やすこ)は、自分の意思に関係なく過眠を繰り返してしまい、半ば引きこもりの生活を送っている。同棲している津奈木(つなき)を確かに自分は困らせていると思うのだが、どうも津奈木は一番疲れない方法で自分を回避しているとしか思えなくて腹立たしい。ある日津奈木の元彼女が現れ、寧子に対し執拗に津奈木と別れるように迫る。




わーい本谷さんだー。厚さも手ごろだし、さくっと読んでしまおう。ということで教習の合間に読了。相変わらずいいわ。うん。

他人の語彙を羨ましく思うことは結構ありますが、特にこの人の語彙はかなり欲しい。使いたい言葉ばっかりだ。日本語最高です。

愛をタイトルに持つくせに内容で愛が別に出てこない、ということは各々愛を感じとれということかしら。そんな恥ずかしいこと出来ないわ。まあいいけどね。

女性一人称はやはり女性が書いた方が面白いのかなー。なんか鬱状態の為に簡単にパラレルワールドに入って行けちゃう主人公をなんだかんだで上手く操縦出来てるのはやはり女性が書いたからってのがでかいと思う。男性が女性視点で小説を書くってのは小説の世界を支配してる感覚の最たるものって感じがして魅力的なのですが、やはり女性特有の何かってのは男性が書いたという影が見えただけで違和感に変わってしまうんだろうなあ。


ディズニーの七人の小人の置物が通行人から見えるように並べられている一軒家の表札めがけて、その(雪の)塊を思い切り投げつける。何が『MURAKAWA』だ。日本人のくせに名前にアルファベット使ってんじゃねえ、死ね死ね村川。お前の子供の『MAJYU』と『LEON』は大人になって鬱で苦しめ。


好対照への罵声おいしいです。あまりに幼稚な「死ね」と子供の名前からうかがい知れる家庭の種類がすごくおいしい。やっぱ視点の人物はこうでなくちゃ面白くないでしょ。同作者の『腑抜けども~』は三人称だったけど、やっぱこの人は一人称が面白い。


少し内容について。主人公の寧子はひょんなことから鬱に。んでその交際相手の津奈木は編集者として働いています。寧子は他人にわかってもらいたい的な、知ってもらいたい的な気持ちを持っているのですが、『見抜かれている』という感覚には敏感に反応しておびえてしまうという面倒な性質。読んでてその分かれ目にはちょっと苦労した。上にあるように死ね死ね村川と言う寧子ですが、強めに出られると弱いみたいな、そういうところが結構書かれていて、その不安定さがいいなあなんて思って読んでいました。寧子を困惑させる存在である津奈木の元彼女がかなり良い役で、こいつがなんだかんだで結末を作ったのかなーといった感じ。いい感じの悪役キャラ。

ただ結末について。詳しい言及は避けますが、寧子と津奈木に用意された結末を比喩した、というか同じような事を他の対象で表した事がいくつか羅列されていて、『これでこうなったってことは、それを寧子と津奈木に置き換えたらこういうことだよね?』みたいなオチなんだと思うのですが……なんていうか具体的にどうなったのかはちょっと私の技量では想像の域を出ないっていうか、個人的に答えは一応出たのですが、本当にそうかな? みたいなことを思ってしまいます。

まあでも文章の運びっていうか、なんてことないかのように大変なことを書く感じはとても面白くて好きです。やっぱ本谷有希子好きだー。つーかこれで文庫化されてる作品は全部読んじゃったのかな? 単行本……高いんだよなあ。





やふーとかホットメールとかのアドレス合わせて多分6つくらい持ってて、用途で使い分けてるんですけど、通販用で使ってるアドレスにアマゾンやら楽天から広告的なメールが来るんです。そんで、何故かちゃんと受信ボックスに入るものと迷惑メールボックスに入るものに分かれるんですよね。差は何なんだろう。何を基準にヤフーメールさんは「これはいる」「これは迷惑メール」という風に分けているんだろう。「格安裏ビデオ!」とか「無修正!安心梱包!」とか「エロい痴女そろってます」とかそういうメールはちゃんと迷惑メールボックスに入ってたから正常だとは思うんだけど。つーかエロくない痴女っているのかよ。

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生きてるだけで、愛 本谷有希子

あんたと別れてもいいけど、あたしはさ、あたしと別れられないんだよね、一生。母譲りの躁鬱をもてあます寧子と寡黙な津奈木。ほとばしる言葉で描かれた恋愛小説の新しいカタチ。 ねえ、あたしってなんでこ...

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面白かったです。
読みやすくて、サブカル漫画を読むのと感覚が似ているように思えました。
トラックバックさせていただきました。
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